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赤い吸血鬼と女の子 [黒子のバスケ]

第4章 恨み憎む男ー灰崎ー



「…こいつの口を首筋に持っていけ

あとは皮膚越しの血の匂いに反応して赤司の身体が勝手に吸血するだろうよ」


「……わかりました」



ゆっくり、傷口をあまり刺激しないように赤司さんの頭を動かす


でも緑間さんやテツヤさん達がそれにストップをかけた




「待て、だったら俺が」


「怪物のでもいいんでしたら、僕らの血でもいいんですよ?」




優しい声


でも、私はかぶりを振った




「私がやります」


「…お前…死ぬかもしれないのだぞ」


「構いません」


「構わないって、あんたそれでもし死んだらどうするんスか!!!」


黄瀬さんの聞いたことのない怒鳴り声がきこえる

だけど赤司さんの為に死ねるなら本望だ


でも!とまだ止めてくるテツヤさんたちを振り切って、私は赤司さんの頭を抱きかかえた


そっと彼の口を首筋に押し当てる



するとすぐに、意識のないはずの彼の身体がぴくりと動いて


首筋で口が開かれた感触がして



牙が突き立てられた、と思う間もなく

何の躊躇もなく




ザクッ、




「………っ!」




赤司さんの牙は、虹村さんの言った通りに本能だけで私の首を貫いた



赤司さんの喉が鳴る度に私の中から何かが吸い取られていく感覚




あれ

…この感じ



前に、どこかでー…






『血を…、くれるなら、いいよ』







不思議な浮遊感の中、聞こえた声

途端に蘇った10年前の記憶





「(…そうだ、私-……)」





噎せ返るような血の匂いの中、私は赤司さんに首筋を捧げたままゆっくり意識を手放した
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