第4章 恨み憎む男ー灰崎ー
「今のこいつは、心臓を貫かれたことで極端に治癒力が弱まってんだ
元の治癒力にするためには、
そのエネルギーとなる血が必要だ」
「血…、血があれば助かるんですか?」
「恐らく助かるだろうな
……だが、」
虹村さんは急に深刻な顔になった
そして、何かを決心したように口を開いた
「今の赤司は意識のない状態だ
生きようとする本能だけでの吸血だから加減はまったくできない」
「…わかりやすく言うと、どーいうことだ?」
「つまり、糧となる人物が死ぬかもしれないってことだ」
「……そんな…、」
虹村さんの話に緑間さんは困惑の声を上げた
でも、私には神様が手を差し伸べてくれたように思えた
「…どうすれば、意識のない状態で吸血させられるんですか?」
私の言葉に、火神さんや緑間さんたちが一斉に私を見た
でも私は真っ直ぐに虹村さんを見つめた