第36章 空回り
前に立ってた横山さんが、口を開いた
横山「お前の様子が、ずっと変やったから後をつけた」
丸山さんは、何も言わずに俯いた
横山さんはゆっくり歩き、私に近づいてきた
横山「始めまして、突然の失礼本当にすいません」
芸能人のオーラに私は圧されていた
「いえ...」
ビクビクする私に、横山さんは優しく言った
横山「ここでは人目につくので、一緒に来ていただけませんか?」
私は小さく頷く
そんな私を見て、横山さんは
横山「マル、お前もや!」
そう言って歩き出した
丸山さんは何も言わずに歩きだしたので
私は丸山さんの後を着いて歩いた
横山さんは、バンに乗り込んだ
そして、私達も乗せると何処かに走りだした
横山「ちゃんと送りますので、心配しないで下さいね」
そう、私に優しく言ってくれた
私は頷いていた
丸山さんは、ずっと窓の外を見ていた
そんな丸山さんの様子が心配だった
何があったんだろ?
私の知らない丸山さんに...
私たちは、ある高級そうな店の一室に連れて行かれた
そこで、横山さんは料理を注文してた
丸山さんは一言も話さない
注文が終わり店員さんが私達の個室から出ると
横山「さて、マル...ちゃんと説明してもらおうか?」
横山さんは、丸山さんに静かに言った
丸山さんは俯きながら言った
丸山「僕の恋人だよ....」
私の肩を抱きながら言ってくれた
すると横山さんは大きなため息をついた
その様子に私は驚いた
横山「俺は別に、お前に恋人がおってもかまへん、やけど、最近のお前はなんや?」
その言葉で丸山さんは、また頷いた
横山「彼女のためにも、お前はちゃんとせんとアカンのちゃうんか?」
そう厳しく言った
私は、勇気を出して聞くことにした
「あのぁ、どういう事ですか?何があったんですか...」
私の顔を横山さんは見てから丸山さんを見て
口を開いた
横山「まだ、ツアーの前半なんですが、コイツ全然集中してなくてミスばかりなんです、だから途中からスマホも取り上げたんです」
私は思った、だからLINEが来なかったのかと