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サンジのおやつ

第2章 1時


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次の日の朝、いつもの時間に目が覚める。

ケガはすぐに良くなるわけもなく、
痛む体を無理やり起こす。

6時45分

時計を見なくてもわかる。

まだ、
誰も起きていない朝一番の空気を吸うのが好きだった。

1人の空間で静かなコエを聴いて、
陽の射した窓辺に座り、
優しい匂いを感じる。



『…っ…ふぅ…』

いつもより時間はかかったが、
幸い誰も起きていないことに安堵する。

『……昨日久しぶりに、家族以外の人に名前を呼んでもらったんだ。
…嬉しかった……でも、少し……怖かった…
どう接したらいいかわからなくて、
冷たい態度をとってしまった………
……初めて会った私を、心配してくれて……
…笑いかけてくれた………………』

誰もいない所で、空に向かって話しかける。

友達と呼べる人がいない私は、
誰にも言えない気持ちを、
上を向いて話す。

普段したばかり向いているので、
空の青さもわからない。
雲の白さも、太陽の暖かささえも。

『………っ―――……!…』

続きを話しかけて、誰かが起きてきた。

そのままキッチンへと消えた足音は、
ママのものではなかった。

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