第2章 1時
『パパ、ママ、ダラ――…』
ようやくたどり着いた部屋のドアを開けると、
家族たちと楽しそうに食事をしているルフィ達がいた。
「おぉ、しん。目が覚めたのか」
私に気づいたパパが、嬉しそうに声をかける。
『………うん……』
全く状況を把握していない私に、
「なぁ、しん。
明日の朝イチでこの村を出ることになったから、
必要なもんだけちゃんと用意しとけよ!」
ルフィが私の肩に腕を回し言った。
……ん?
『………………』
……なぜ、私が彼らの出航の準備をしなければならない?
全く理解できない私を尻目に、
「準備なら、私がしておくわ。
しんは初めてだからわからないと思うし」
ママがパパ同様、嬉しそうに目配せした。
……??
「しん………ここまで、どうやって来たんだ?」
怪訝そうな顔のチョッパーに、
『歩いて』
なんて素直に答えたら、
「バカやろぉ!あれだけ安静にしてろって言ってるのに!!」
本気で怒られた。