第2章 1時
「んぢゃあ、ルフィ。
この子甲板まで連れていってあげて」
ナミの突然のお願いにも関わらずするなりと受ける。
「ルフィ、慎重にな!!」
オロオロするチョッパーを尻目に、ルフィは私を抱き上げる。
『ひゃっ』
軽々と持ち上げられ、お姫様抱っこに。
「痛くないか?」
さっきの言葉とは違い、優しい言葉は少し胸を締め付けさせる。
『…………うん』
「これだけのケガして……痛くねぇのか?…」
ゆっくりと歩くルフィが心配そうに尋ねる。
『………………痛い……』
「だよなぁ」
……ただ、あの時はそれよりももっと大事なことがあったから、、、
そうこうしてる内に、甲板へと着く。
眩しい光に目を瞑り、大好きな潮の香りを胸に吸い込む。
……パパ、ママ、ダラン、ばぁさま…
「お前の村は―――……」
「ルフィ!こっちだ」
ルフィの言いかけた言葉にかぶせウソップが呼ぶ。
「おう」
ゆっくりと椅子に降ろされると、目の前に大好きな街が見えた。
いつもと変わらず煙突からは煙が出て、
賑やかな声が聞こえる。
『……………』
……よかった。