第2章 1時
「とりあえず、名前は?」
コテっと首をかしげる姿が愛くるしい。
『……しん』
抱きしめたい衝動を抑え、ふっと息を吐く。
「しん、今はまだ動けないけど家の方は大丈夫か?」
その質問に、ハッとなった。
海賊に襲われた村。
パパ達が負けるはずがないと思いながらも、焦燥感にかられる。
2度目の警戒音。
それが原因だろう。
「どぉした?」
『……いえ…大丈夫です』
帰りたくても、動けない。
ましてや、もし最悪な事態になっていたとしても、
今の状態だと足手まといでしかない。
「……………」
『………………………』
「チョッパー!!目ェ覚ましたってぇ!?」
沈黙を破るかのように、麦わら帽子をかぶった男が入ってきた。