第2章 1時
「なんだぁ?」
男の顔が険しくなる。
『ち、近ぃ』
逃げようとするも、やはり体が動かない。
「あぁ、そういうこと」
ニヤリと笑い、ゆっくりと体を戻してくれた。
「……何にもしねぇって言っただろ…
それか、キスでもして欲しかったか?」
くくっと笑い顎を持ち上げられる。
………きす??
言っていることがわからず、相手をじっと見ていると、
「…………………」
だんだん近づいてくる顔に、再び恥ずかしくなって顔を背けた。
「……逃がさねぇよ……」
グイっと正面を向かされたかと思った次の瞬間には、
唇に柔らかな感触を感じた。
『………っっ……』
初めてのことに戸惑い、息を止めるも、
すぐに離れることのない相手の唇は呼吸を苦しくさせる。
……この男も息を止めていてしんどくないのか…
なんて、頭の中で考えれていたうちはまだいいが、
次第にそんな余裕もなくなって、
苦しいと。息を吸い込む。
『………はぁっ…んっ??…』
少し開けた間から半ば強引に柔らかいものが侵入してきた。
それは器用に中を動き回り、時々かすめる部分が私の体を熱くさせる。