第2章 1時
「なんだ?
目、覚めたのか?」
突然の男の声に体が強ばる。
『……っ、誰だ?!』
声のした方を向くが、メガネをしていないため全く見えない。
「はっ、んなに警戒すんなよ。
別に取って食いやしねぇよ」
ボヤけながらも緑の頭で黒い服を着た人物が近づいてくるのが見てた。
『ち、近寄るな!!』
見えない上に、体も思うように動かない。
「だから、なんもしねぇって」
ポンッと不意に頭に軽い衝撃を感じた。
『っぅ!?』
ピクリと反応した体に痛みを感じ、
その男が触れ撫でている頭に暖かさを感じる。
「お前、怪我してんだろ?
うちの船医がちゃんと診てくれたから、安心しろ………
……って、なんでそんなに睨んでんだよ……」
最後あたりの言葉が荒くなり、慌てて説明する。
『あっ、、眼鏡が、なくて……』
なんだか申し訳なくなって下をむいた。