第2章 1時
「一度ならず二度までも…」
さっきの男が体制を立て直す。
左手一本で銃の反動に耐えれそうにない。
的だって絞れない。
ましてや、刀なんてもってのほかだ。
……一か八か……
銃を右手に持ち替えて、左手で掴む。
左腕だけの力でなんとか肩の位置まで持ち上げる。
足を前後に開きバランスを取ると標準を相手に合わせた。
男の一発か私の一発。
ハンディは互角の、技量は……
「女が!!男に勝てるわけがねぇんだよ!!」
『………………』
バンッ!!!!!
音が鳴ったのはほぼ同時。
先によろめいたのは…………