第23章 バカオンナ
咄嗟に受け止めようと手を差し伸べたが、俺よりも先に、その隣に立っていた男が受け止める。
「すみませぬ。」
か細いような声でそいつは言った。
みれば、先ほどまで穢れも一点のない白い肌が褐色となり、見事だと思った金髪もその腕に抱く女と同じ黒髪、そしてセルリアンブルーだった目は鮮やかな若草色に変わっていた。
さらに雰囲気も、なよなよとしたモノに変わっている。
一瞬全く違うやつかと思ったが、骨格や顔立ちはそのまま、色彩だけ変えたような変わり方だった。
「お前は誰だ?何故ここにいる?」
警戒を怠らず刀に手をかけたが、威嚇に耐えられないように震え出した相手を見て、少しだけ違和感を覚える。
「そ、其れがし、トウカの守護する神、夏の神黒鉄と申す…」
カタカタと震えつつ必死に絞る声はか細く、拍子抜けするような男だった。
こいつが神…?
そう思って頭からつま先まで視線を往復させる。
「見えネェな。」
「ひぃっ!!よ、よく言われる。」
「褒めてねぇ。」
「そうか…」
目に見えて落ち込みやがった。
なんだこのふざけた男。