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空ハ青

第21章 セカイノオワリ


「トウカ!!…っがっ!!」

「マスターさん!!」

一言発するたびにグリグリと押し付けられるナイフに、うめき声と、私の悲鳴が重なる。

その様のどこが面白いのか、敵と思われるその人はニタニタとした笑をこぼすだけ。

さらに、私のことを認識した大きい人は、まるで焦らすかの様にゆっくりとこちらへ歩いてくる。

「あ、あ、…」

目はマスターさんを捉えるのに、足が恐怖ですくむ。

そんな私の反応を楽しむかの様に、ゆっくり、ゆっくりと近付く大男。

「あーあ、怖がってる怖がってる。かわいーねー?もっと怖がらせてやれよ。」

「うひひっ。女だ。女だ。」

伸ばされる手を、辛うじて避ける。

「うぁ…」

「やめろ、トウカに手を出すな…」

「うるせぇ!!」

「ぐっ!!」

私は、私に迫るそれを避けるので手一杯なのに、マスターさんは私を心配してくれている。

絶対、マスターさんの方がひどい傷だし、辛いのに、だ。

「あ、あ、あ、あ…」

恐怖で声がうまく出ない。

誰か助けて。

視界の隅でマスターさんがまた痛めつけられる。

「ぐっがぁ…がっ」

「おら!!おら!!」

それ以上、殴ったりしないで。

やめて。

私があの時、言うことを聞いていれば。

グルグルとそんなことばかり考えていたら、とうとう壁に追い詰められてしまった。

逃げられない。

でも万が一逃げられたとしてもマスターさんがいる。

どっちにしろ逃げられない。

嫌だ。

嫌だ嫌だ。

迫る大きな手に、無意識に大きく息を吸い込む。

「嫌ぁぁぁあああああああ!!!!」

「っ!?」

「なんだ!?」
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