第3章 サマヨウイシキ
恐怖する私の前で楽しそうに会話は続く。
「んー?…確かにな。」
「 俺たちで食っても何も言わないよな?だって売られるんだしよ。」
「確かにな!味見しておくか!!」
なにが確かにだ。
何が味見だ。
元の世界で殿方に近づくなと言われた意味をよもや異世界でわかろうとは。
固まった身体に伸びた四本の腕が迫る。
怖い、食べられる。
「ん!?んーんー!!」
「ははっなんか言ってるぞ可愛い可愛い。」
気持ち悪い。
怖い。
「あん?何だこいつ思ったより胸あるな!!」
「マジだかわええー」
嫌だ触らないで。
気持ち悪い。
怖い。
「ん!!んん!!」
「なにー?感じてんの?」
身体が冷たい。
嫌だ触らないで。
気持ち悪い。
怖い。
「んー!!」
「可愛い可愛い。」
怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い!!
「んーーーーー!!」
完全に脳内が恐怖で縛られた感覚の後、何か優しいものが私を包む。
目の前の彼らから息を飲む声が聞こえた。
「うわっ!!何だこいつ!?」