第19章 ジョウリク
苦笑を交えていっているが、諦めているのは明らかで、これに関しては何も言わないでおく。
ただ、
「ふっすっかり先生だな、ペンギン。」
いつの間にか様になってしまったその姿に関しては言わせてもらう。
それはもともとのこいつを知っていれば、笑が漏れてしまうくらい愉快なことだ。
しかし認めているのか、少しだけ雰囲気が鋭くなっただけで、それ以上の感情は見せない。
「あんだけ教え外のある生徒もいれば、こうなるもんだ。」
「どうだかな。」
くくっと笑っていると、さっきまで遠ざかっていた足音が、確実にこちらに向いてくるのが伺える。
コック当たりにペンギンの居場所を聞いたのか、迷いのない足取りだった。
ペンギンも気づいていたらしく、しばらくドアの方に目をやっていると、控えめなノックの後にひょっこりとあいつが顔をのぞかせる。
「ご歓談中失礼します。ペンギンさん、聞きたいことがあるのですがいいですか?」
「ああ。」
「船長さんもきていたのですね。」
ダイニング内に足を進めながらこちらにも言葉をよこす。
切れ長な黒目は目尻を下げて、人畜無害な印象を与える。
「もう行くがな。…走るのにも支障はなくなったか。」
「はい、もうすっかり。」
俺たちの座るカウンターの元に、椅子を運んで座ったので、ここでもできる相談らしい。
ただ、その相談が始まる前に、俺は要件を済ませたかった。
「三日後、島に上陸する。」
「はい。」
前触れもなしに話始めれば、察していたのか、誰かに聞いたのか、冷静に答えられる。