第18章 アクマノミ
私があの時目撃した事象は、今でも細かく覚えている。
クルーじゃない、恐らく敵に捕まり、船長さんが現れたことに驚いた彼らに盾にされ…。
けれども船長さんは全く動じなかった。
私が、まだちゃんとしたクルーと認めてもらえてないからかもしれないと、密かに痛む胸を隠して、敵の隙を伺っていたのだが、やはり船長さんは動じない。
それどころか刀をマイペースに抜いて、私に向かって「動くな」という。
あぁいよいよ見捨てられるのかと、でもきっと船長さんならうまい具合に、死なないように切ってくれると、そんなことを考えながら身を固めた。
私が覚悟を決めたのが敵にもわかったらしい。
「お、お前!!仲間を切るのかよ!?」
焦った声で私を突き出しながら船長さんへ叫ぶ。
しかし、それに答えもせずに船長さんは静かに一言
「ROOM」
と言った。
瞬間、薄い幕が私たちの周りを覆い、何かこの部屋と切り離されたような空間を作り上げる。
私は何が起こるのかわからずただひたすら戸惑っていた。
「お前、まさか…死の…外科医って!!?」
後ろで悲痛な声が一瞬響いて、目の前の船長さんの口元が緩々と上がって行くのが見える。
そして、気が付いたら、私の周りにはバラバラになった人の身体のパーツ、パーツ、パーツ。
それは私を捉えていた人たちのもので、目の前の船長さんはやり切ったように刀を鞘に収めていて…。
吐気をもよおすかと思った。
しかし、それは訪れない。
何故なら、そのバラバラになったパーツからは血が出ない。
おまけにペラペラと何事かを話している。