第17章 ニチジョウ
ドアの破片がこちら側まで飛んできて、私は一気に加速した心臓を抑えるように縮こまる。
「なんだ、ここ。ただの部屋か?」
二人分と思われる足音が部屋へと入ってくるのがわかる。
「おっかしいな。鍵かかってたのなんてこの部屋くらいなのに…。」
やはり二人分の声が聞こえてきて私の緊張は高まった。
一人ならなんとか隙を作って逃げることがもしかしたらできたかもしれないが、二人となればその可能性は低い。
なんと言っても今の私は万全ではないし、この世界のことをすべて知り尽くしているわけではない。
この世界の戦いのスタイルがわからないのでは勝ち目を考えるのは無理な話しで…。
この部屋を普通の部屋と思って早く出ていかないかと、物陰から私はただただ祈るばかり。
「仕方ねぇ、ほか当たるか?」
部屋を物色もしないまま出て行こうとする空気に、私は知らずに鼓動を治める。
「…まてって。」
「んあ?」
片方が出ていくような雰囲気を醸し出したことで安心を得ていた私の鼓動がまたしても跳ね上がる。
「お前、おかしいと思えよ。何でこの部屋だけ他の部屋と違って一人部やみたいになってんだ?」
「そういや…そうか。」
「ただの船員室じゃねぇぜ?幹部か、もしくは…」
「トラファルガー=ローの部屋…?」
「かも、しれねぇな?」
自信満々で言い切ったその人に、私は心の中で「そんなわけないでしょ!!」と多いに突っ込みたかったが、そんな場合ではない。
身が危険に晒されたも違い無いのだ。
今いきなり出るのは得策じゃない。
相手が何を武器にしているのかもわかってない。
かと言って見つかってしまっては遅い…。