第17章 ニチジョウ
息を潜めると、反比例するように自分の鼓動が耳元でうるさくなる。
それと同時に、廊下の話し声はやはりこちらに近づいてきていた。
「まさかあのハートの海賊団の船だなんてついてなかったぜ。」
「本当だよなぁ。」
何かを探しているのか、素早く動く音と共にそんな話し声が聞こえてきた。
やはりハートの海賊団って有名なの…?
隠れている身とわかりながらその話を聞いて緊張感なく耳をそば立ててしまう。
「うちのお頭も運がねぇなぁ。」
「けどよ、お頭も言ってたけどハートの海賊団の船の宝っていったらすげぇはずだろ?その少しだけ盗んだって相当なもんだぜきっと!!」
「そうだよな!!…にしても宝どこにおいてあるんだよ…。」
着実にそばまで迫った彼らは、私がこの部屋にいるとは知らずそんな話をしている。
そして漸くこの部屋にたどり着いたのか、ドアがガチャガチャと音を立てた。
「おい、この部屋だけ鍵かかってるぞ。」
「よっしゃ!!じゃあここだろ!!」
そんな声と共にドアは依然ガチャガチャ言っていて戸惑いを隠せない。
隠れるのだから鍵をかけて当然だと思っていたが、裏目に出た事をまざまざと思い知る。
ここが宝をおいてあるところではないとドアを見ただけの彼らじゃわかるはずもなくて…。
鍵をかけておいたのも虚しく、あっさりとドアは蹴破られてしまった。