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空ハ青

第14章 リハビリ


「キャプテーン!!」

「なんだ。」

言いかけた時だった。

通路からベポの呼ぶ声がし、反応したがもしやなにかあったのかと思っていた。

しかし、

「ほら、トウカ聞こえた?あとちょっとでしょ?」

「っ、うん。」

「頑張って!!ゆっくりゆっくり。」

とどこか子供の歩く練習を思わせる賑やかな声が聞こえてくる。

杞憂かとサンドウィッチを手に取ると、コックはいつの間にかキッチンにいて、何かしていた。

しかし、やはり気になるのか

「…ベポが連れてきてんすか?」

深刻そうに言った。

「あぁ…。」

「キャプテン、あれは…。」

「さながら幼児の歩く練習だな。」

思ったまま口に出せば同意するように頷かれる。

「ベポは善意なんだろうが…これはなかなか…。」

皆まで言わずとも言いたい事を理解した俺は、苦い顔をしてからサンドウィッチにかぶりつく。

それとほぼ同時だった。

「はっ…はっ…。」

「ほらついたー!!キャプテン、マスター、連れてきたよ!!」

ぐったりしたあいつとベポがドアを開いて現れた。

ベポが意気揚々とこちらに進むのに対して、あいつはゆっくりと歩いてくる。

「おぅ、ちょうど出来たぞ。」

思ったよりも重症だと思ったのか、キッチンから出てきたコックは心配そうにあいつを見やった。

その気持ちが手に取るようにわかり、俺は隠れて笑みを浮かべる。

これは懐柔は早いな、と。

「良かった!!よし、ここ座れる?」

「はい。」

「ゆっくりね!!」

もともと懐いていたベポは実に甲斐甲斐しく世話を焼いている。

至れり尽くせりの高級レストランかここは。


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