第11章 ジュンノウタイサク
「失礼する。」
しばらくして戻ってきた船長さんのあとに続いて白いツナギを着た人が入ってきた。
目で追う私のベットの横にきたので
「あ、初めましてトウカです。」
慌てて名乗れば、その人は目深に被ったキャップで唯一見える口元に微笑を浮かべた。
「ペンギンだ。実は俺があの船から運んできたから、始めましてではないんだがな。」
「え!?」
じゃあこの人がいないとそもそも助かってなかったんじゃ…。
「あ、その節はどうもありがとうございます。」
お礼を述べればペンギンさんは手をひらりと振るだけの返事をくれた。
「目が覚めたのか。」
「えと…はい。おかげさまで。」
優しく問われれば今までの誰とも違う対応に少しだけ戸惑う。
それ以上会話が続かないとみたのか、船長さんが口を開いた。
「足が一番酷いからな。骨さえくっつけば多少歩き回れる。そうなったらペンギン、お前の部屋に真っ先に連れて行け。」
「俺の?」
「こいつは字が読めない。加えてこの世界の常識も知らない。」
「…は?」
ハラハラとしながら二人の会話を聞いていると、やはりペンギンさんは怪訝そうに顔を顰めた。
もしかしたら私がするよりも酷い説明ではないか、などと思いながらも成り行きを見守る。
「深くは聞くな。こいつにこの世界のこと知ってるだけ叩き込め。」
一方的すぎではないだろうか…。
少し緊張しながら対峙する二人を見ていると…
「…了解。」
まるで折れたようにペンギンさんはそう言った。