第6章 カイゾク
「…あなたはそんな風には見えません。」
失礼に当たるかもしれないが正直に言うと、また船長さんは笑みを深くした。
「ふっ。そんな事言ってられねぇ。いいか、この海はグランドライン。何が起きるかまだすべて解明されていない、そんな海だ。
一説によればわかっていることの方が多く、また別の一説では、わかっていることはほんの一握り。そんな中でお前みたいなガキが生き残るわけがねぇ。」
そう言われて息を飲む。
そんなに過酷な世界だったなんて、思いもしなかった。
もともと私達の世界は本当に平和で、危険なんてないところだから…。
「お前が死なないとしても、その志が折れたら意味がねぇ。しかしここはその志さえ簡単に折れてしまうような世界だ。お前の知らないせかいだ。」
語調を強めて言われ、少しだけ唇を噛む。
違う世界にいくという事を今思い知らされたような気がした。
「確かに…そうです。でも、この世界にしか私には手がかりがありません。」
先ほどよりも気弱になりつつ言えば
「その志が折れない根拠があるのか?」
彼は真剣にそう私に問うた。
「ありません。」
だから私も真剣に答える。