第6章 カイゾク
船長さんの顔は相変わらず険しい。
「…そもそもお前の話じゃ何の実かわかってないだろ」
少しだけ緊張したような声に、私は首を振り
「スクスクの実というものです。」
名前を答えた。
すると船長さんは鋭い目でこちらを見やる。
「効果は?」
「何でも一瞬で育てることができる能力で、度が過ぎれば枯れてしまう能力だそうです。」
そう言えば、少しだけ考え事をしたのち
「それがあったところで、果たしてお前の世界で使えるのか?」
そう疑問を返される。
「わかりません。ただ、一可能性として提示されたそれを、私は実行せねばなりません。」
「なるほどな…。しかしお前が失敗したら?この世界には身を持って体験したとおり危険がつきものだ。その神とやらの使いのお前がもし死んだら?」
思案顔はそのままで、船長さんの疑問が口から飛び出して来る。
にしてもすごい理解力だなぁと思いながら、私は少しだけ微笑んだ。
「それは大丈夫です。私以外にも巫女は4人いるので。」
微笑んだ事にか、返した言葉にか、
「一人ではないのか?」
この人が少しだけ驚いた顔をしたのを始めて見た。