第6章 カイゾク
考えてみれば、この世界にきてこんな風に私と向き合ってくれる人は初めてだ。
少しだけ嬉しさで胸が暖かくなる。
「私は違う世界の人間です。」
偽りは通用しない。
直感した私はそう切り出した。
「…は?」
相手の反応も予想通りで。
私はぐっと目に力をいれて船長さんを見返す。
「信じていただかなくても結構です。後々、嫌という程わかる事になりますから。ですから今はあぁそんな話もあるんだなぁという程度で聞き流してください。」
そう言えば、こちらの必死さが伝わったのか、船長さんの眉間が少し緩む。
「わかった。話せ。」
そう静かに言われるのも暫くのちで。
理解しようとしてくれる姿勢が嬉しい。
その期待に添えるよう、私は慎重に言葉を選んだ。
「はい。私の世界はこの世界よりもより発達した世界で、そして同時に発達の度合いを越してしまった世界でもあります。」
「度合い?」
無難に言葉を選ぶも、やはり身近でない内容に微かに眉を動かされた。
「物事には限度がありますでしょう?あまりの発達は、やはり及ばざるが如しで。発達し過ぎて自然が消えてしまったのです。」
それでも続けて言えば、彼は少しずつ頭の中で私の拙い話を自分なりに消化しようと務めてくれているようだ。
頷いてくれて、嬉しさがこみ上げる。
「自然が、消えたのか?」
「はい。しかも、文字通りの。もう大地も見れないような、そんな世界になってしまいました。
自然がないせいで、空気がなくなり、人はその消滅に合わせてどんどん死んで行きました。
もちろん、私たちがした事の結果ですのでもう過去に戻す事はできないのですが…。」
こんな拙い話でわかるのか不安になりながら船長さんをみれば、暫くしてから一つ、吐息を吐いてから私を見やった。
「お前は生き残りか。」
「はい。けれど、少し私の場合違いまして。」
せっかく整理してくれたであろう私の話に、さらに補足を重ねる。
「私は、その世界で唯一の自然がある聖域を守る巫女です。」