第6章 カイゾク
取り敢えず、私を治療してくれたのはこの人で間違いなさそうだ。
「…助けてくれてありがとうございました…」
礼を述べれば、気のない返事で短く返される。
かと思えば
「あの船に乗っていたのはなぜだ?」
鋭い質問がとんで来るのだから、この人は医者というだけあってキレ者かもしれない。
兎にも角にも説明しなければ。
そう焦った私は
「来た時に、ちょうどあの船の甲板に降りてしまったのです」
大事なところを飛ばしてそう口にした。
やはり彼は物凄い怪訝な顔でこちらを見やる。
「…?来た時?」
「あ、えっと…。」
何を焦ったんだ。
取り敢えず深呼吸をする。
「説明をさせてください。」
「ん。」