第36章 テハイショ
この人は、正当な何らかの理由で私を襲っている。
それもあの紙きれ一枚が原因。
「ROOM」
聞き慣れた声と共に、ブンと、どこか機械のような音がした。
恐る恐る顔をあげれば、船長さんの腕の中に私は収まっている。
「どうやらうちのクルーが世話になったようだな。」
グイと背中を押されてそのまま後ろでに回される。
船長さんの背が高いので、視界がすべて遮られた。
ただ、彼が下に向かって話していることから、そこは橋の上だというのがわかる。
「死の外科医じゃん。そっか、その子君のクルーなんだね。」
下から反響するようにあの人の声が響いてきて、身の毛がよだつ。
人のことをこんなにも苦手だと思ったのは久しぶりだ。