第36章 テハイショ
「どこのもんだ?」
「この島を拠点にここら界隈を旅している賞金稼ぎだよ。結構名が知られてると思うんだけどなぁ?」
「自分で言うやつほど大したことのない奴はいないな。」
「…せっかくあったから、そこの子と、死の外科医の賞金、ゲットしてもいいと思うんだよね。そしたら一生遊んで暮らせる。」
彼が愉快そうに言う。
すると、船長さんは私をもっと後ろにおいやった。
「トウカ、大丈夫?」
フカフカしたものに受け止められたと思ったら、ベポくんだった。
大きな手で私の無事を確かめてくる。
頷けば、ベポくんはふんわりと笑った。
「じゃ、キャプテン、僕はトウカを先に連れていっておくね!!」
相変わらずの元気な声でそう言えば、後ろを向いたまま船長さんは鷹揚に頷いた。
「すぐに追いつく。」
その言葉を聞いて、ベポくんが私を抱え上げる。
いきなりの浮遊感に驚いて固まれば、しっかりと私を固定した彼は走り出した。
「少しの辛抱だからね、トウカ。あ、喋らないでね、舌かんじゃうから。」
この荒々しいまでの速さはもしかして私に有無を言わせないためだったのかもしれないがもう私はされるがまま。
二人に心配をかけてしまったことは間違い無いので、私はおとなしく運ばれて行った。