第35章 ショウキンクビ
どうやら仲間ではないらしいその人は、橋の上から私たちを見下ろしていた。
「君、助けてあげようか?」
それは私に対して言われているのだろう。
なぜだか私のことを知っている風に言われて戸惑う。
「君達もさぁ、こんな一人の女の子囲んでなにしてんのさ?みっともないなぁ。」
「くそっ!!どこのガキだ!?あいつらはどうした、ここには誰も通すなと」
「あぁ、ごめんね?」
ぞわり、と総毛立つ。
禍々しい気配が橋全体を包んだ気がした。
「邪魔だったから、どかしておいたんだ。」
橋の上から、声と共に何かが落とされる。
ちょうど、私と、私を囲む人たちの間に、どちゃり、と。
「もっと歯ごたえある人が良かったなぁ。」
くつくつと笑う声が上から降ってくるが、その人を見れない。
目の前の、先ほど落とされたものしか。
「っぷ、臭えな。んだこりゃ…」
そりゃ、臭いでしょうよ。
ここまでぐちゃぐちゃになってしまったら、何かわからないでしょうよ。
けれど…私に向けられているそれは…
「おい…こいつは、ギルトじゃねぇか?」
人の眼球だ。
やっと気づいたのか、その場が凍りついた。
どうやら仲間の一人らしい。
囲んでいる人たちが震え出す。