第35章 ショウキンクビ
しかし、やり取りでわかったこと。
彼らは一人でいた私から強盗を働こうとする人たちだと思っていたが…どうやら最初から私を狙っての行動だということ。
仕方が無い、
「黒鉄。」
小さくつぶやけば、私のそばで気配を感じる。
「船長さんに場所を知らせて。」
言えば、肯定の意が帰ってきて気配が消える。
とりあえずこれで大丈夫なはずだが、問題は消えていない。
壁を背にして周りを見渡せば、先ほどよりも顔の険しい人たち。
「おい、こいつ今独り言言ったな。」
「誰かと話してる風だったぞ、誰かいるのか?」
「…気をつけろ、ただもんじゃねぇぞ。」
相変わらず警戒心が強いようで、一定の距離からは近づいてこない。
しかしいつ飛びかかってくるかわからないのも事実で。
「あの、女の子見ませんでした?」
とりあえず、時間を稼いでみる。
相手はひっそりと視線を交わし、その中で一番強そうな人が首を振った。
「この周りには誰も入らないように根回ししている。そんなはずはない。」
断言された。
では、私が見たアレは見間違いだったと…?
しかし、巫女である私が間違えるはずのない相手だ。
どういうことなのだろうか…。
そんなことを考えていた時だった。
「ははっ楽しそうだねぇ。」
どこか小馬鹿にしたような声が響いたのは。
明らかに動揺する私を囲む人たち。