第27章 メザメ
「黒鉄の言う通りでした。」
ポツリと零せば、小さな舌が指先を舐める。
「この方が、私ごときのちっぽけな人間のしでかしたことを、歯牙にかけるわけなかったのに…」
最初から最後まで、私に怒りを向けてはくれなかった。
私に対して怒っていると言いながら、結局は自分に怒りを抱いているのが私がこちらに戻ってこようと思ったきっかけ。
私のことなのに、自分を追い込んでいるように見えて。
つっと撫でるように涙が頬を滑る。
「ねぇ黒鉄。」
「む?」
「私、」
「キャプテーン」
第三者が介入する足音にも気づかず、私は驚いて開いたドアを見た。
黒くて真ん丸の瞳と視線がぶつかる…。