第26章 トリカゴノナカ
ずっと、気にしていたこと。
私のやったことは、それくらい酷いことだったから…。
信頼してくれたはずの、船長さんを裏切るような…仲間を傷つける行為だったから…。
強く奥歯をかみしめたけれど、ダメだった。
涙は意味もなくポロポロと溢れてくる。
「…ごめ…なさい」
よっぽど蚊の方がうるさいと思えるくらい、小さくて、弱弱しい謝罪だった。
本当はもっとはっきり、ちゃんと言いたかった。
みんなを傷つけるつもりなんてなかったこととか、でも傷つけて本当に申し訳ないと思ってるとか。
涙がとめどなく溢れて、もう至近距離にいるはずの船長さんの顔もわからなかった。
「俺たちは怒ってる。」
もう一度、今度は静かにそう言われた。