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審神者と刀剣と桜

第7章 初太刀・初脇差


 同じ様に学校通うのかな?なんて思ってたし、もしそうなら、近いクラスになってくれればいいや、って考えてたのに…こんな偶然ってあるんだ…。

「ちはやん!!」
「天音!」

 手を思いっきり振りながら、軽快なステップでこちらに近づいて来る二つの人影。一つは駆け足で呆れた顔をしていて、もう一つは笑顔である。
 ウチと小夜はその場で二人が来るのを待った。小夜は不思議そうにウチと相手を見ていた。

「ウチの友達。自己中なウチの事を時には怒って、叱ってくれる大切な友人。」
「そう。」

 来るまで簡単な紹介を小夜にした。まあ、反応は薄いけど。

「ヘイ!お久!!ウチも審神者になった!」
「おめでとう!君もこれで、沼の住民だ!」

 沼!?突然の発言に、はい?と聞き返した。

「もう、何変な事言ってんの…主。ごめんね、この人の発言は聞かなかった事にして。」

 天音の他にいるもう一人の人は、ウチはすでに見た事がある顔であった。

「”大和守…安定”…。」

 友人から送られてきた写真の青年だった。沖田総司の愛刀である”大和守安定”。
 本当に新撰組の浅葱色のだんだら羽織を着ていて、白いマフラーをしていて、青色の目の下には泣き黒子がある。史実からイメージされがちな、儚い美青年がそこに居た。
 沖田さんの実際に使っていた刀が目の前にいて、興奮のあまり、大和守安定に指さしていた。一緒にいたのが加州なら、横腹に突きが入ったであろう。

「君の事は主から聞いてるよ。沖田君の事好きなんだってね…、嬉しいな~。そう言ってくれる人が居てくれて。」

 柔和な笑顔で、宜しくと言われた。ヤバい…もう、倒れても良い!!それに、沖田さんの事”沖田君”って呼んでるんだね…益々興奮する!
 指で指していた事を思い出して、直ぐに手を引っ込めた。

「あれ?ちはやんの近侍は小夜君なの?」
「へ…?あ、ごめんよ~。近侍?は留守番してる。まだ本丸には加州以外短刀しかいないから。」

 留守番?二人は目を丸くして、ウチの事を見た。

「何やっても、短刀しか出ないのよね…。あれかな呪われてるのかな?」
「あたしの所には結構打刀も太刀も来るよ?何か可笑しい事してるんじゃない?」

 詳しく聞かせて。配られた紙を見ながら、貼りだされたウチ等のクラスへ四人ーー、二人と二振りで足を運んだ。
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