第7章 初太刀・初脇差
それから互いに何も言わずに、各国の中心にあたる国の関所に着いた。
制服と同様に貰った学生証を関所に提示する。学生証の写真はここに来る前に通っていた高校の学生証の物と同じ物だ。
歩いて行くと一時間は掛かるか…自転車買おうかな…。
「高校はこの先を真っ直ぐ進み、右を曲がって頂ければあります。」
関所のおじさんが丁寧に教えて下さる。軽く会釈して、小夜と共に進んで行く。
周りには同じ制服を着た人がちらほらいる。中には小学生や中学生もいる。その人達全員は刀剣男士らしき人を一振り連れていた。見覚えのある顔があれば、見た事が無い顔があった。
「すごっ…!」
貰っていた資料には、小・中・高・大学(専門学校も)が一緒の今ウチがいる国にあると記してあった。他にも幾つか施設があるらしいけど…。
取り敢えず、高校の方に足を進める事にした。
★★★
「岩動千隼です。」
「岩動千隼さんですね。どうぞ、席は中のファイルの中にありますので、ご覧になって下さい。」
高校の施設の体育館らしい所に、なんとか迷わずに着けば、綺麗なお姉さんが何人か立っていた。そこで通う人達の受付をしているらしく、自分の名前を言えば資料を貰った。
宛ら入学式みたいだ。そう思いながらも小夜と一緒に書かれている自分の席まで行った。
「時間がある…どうしよう、何処か探索に行っても良いよね。」
施設の全貌を知らないから、時間もあるし探索したくなった。小夜に言えば、小夜も付いて行くと言った。
体育館から出れば、風が勢いよく吹いて、髪が目に当たる。
「痛い!」
突然、両目を両手で覆うウチを見て、驚いてる小夜の姿が見えた。マジで何なんだよ!?風め…。
ムカつきから舌打ちをして、気を取り直す。…体育館からあんまり離れた所は探索しない様にしよう。
さっきまでスルーしていたけど、本丸にある桜に負けない程の桜がこの国には有って、所々桃色に染まっている。
「綺麗に咲いてるな~。あ、あそこにも桜がある。」
桜のあまりにも綺麗な事に、いい年して興奮し燥いでいた。
どんどん先へ進めば、桜並木が迎える。
「あれ、小夜は…?」
気が付けば、小夜を置いて一人だけになっていた。酷く言えば、ウチが迷子になった。
マジか…どうしましょ…。