第6章 ”オカミさん”
ここに居る刀達の中で一番小さい、でも強い、濃い青髪に不器用に蝶々結びされて一つに縛っている少年”小夜左文字”。
彼も新しく来た刀達の一振り(ひとり)。
「って言うか、万事屋までの道のり分かるの?」
玄関に行くとウチ、前田君、愛染、小夜以外の刀達が居た。因みに本丸に居る刀は全部で七振り(にん)。ウチ含めて八人、人として。
「分かる!こんのすけから地図貰ったから。」
加州の顔の真ん前に、こんのすけから貰った地図を見せつける。眉間に皺を寄せてから、あっそと言って先に外に出て行きやがった。
「取り敢えず、期待しとかないよ。」
「おま、ホンマにムカつくな…。」
ウチも靴を履いて、久しぶりに外に足を踏み出した。
★★★
岩動のウチの本丸に七振り刀が実装されていると言った。勿論その内三振りは加州、今剣(最近は今ちゃんと呼んでいる)と前田君です。
後の四振りは順に見た目は女の子に見える男の娘”乱藤四郎”、先程名前を出した”愛染国俊”、”小夜左文字”、五匹の白虎の子虎を連れている気弱な優しい刀”五虎退”です。
色々衝撃的で、その話は後にしたい位…。
因みに、ウチには加州以外が短刀である。鍛刀しても短刀しか作られない。今の所。
「どうして…太刀とか出て来ないんだろ…。」
「完璧に、始めの事忘れてるよ…コイツ。」
町に降りて、万事屋に向かっていた。町は武士がいた時代の町並みみたいで、まるで京都にいるみたいだとも思った。
目線の先には五重塔らしき物も見える。
「主さん、あれですかね?」
一匹子虎を抱えながら、街中のある一つの大きな二階建てのお店を指さす五虎退。虎ちゃん達が自由過ぎる。
溜息を吐く加州は無視して、指さされたお店を見る。屋根の所に達筆な文字で”万事屋”と書かれていた。
「着いた!ここだ…。」
地図と見比べて、確認する。方向音痴だから無事着いた事に安心をする。後ろから舌打ちされた事は聞かなかった事にしよう。
好奇心旺盛な今ちゃんが勝手に扉を開ける。
「今ちゃーん!?」
後を追ってウチや残りも入店する。
中は色々な物が置かれている。食べ物が置かれてると思えば、簪などのアクセサリーや文房具類だったり。一言で言えばカオスだった。
見た目に反して大量の物がそこには置かれていた。