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黒子のバスケ*Short Stories

第5章 二人の夢*黄瀬*


それから、黄瀬くんとの練習が日課になった。

「名前っち、膝柔らかく使って!視点落とさないでゴール見るっス!」

以前よりは成功率は上がってきたけれど、まだまだな私のシュート。

「見ててくださいっス。」

そう言うと彼は見本を見せてくれた。

同じキセキの世代、緑間くんの3Pシュートのパーフェクトコピー。

ゴールに吸い込まれるように、ボールがきれいな弧を描いて入っていった。

「すごいなー…。黄瀬くんって本当に素直で頑張り屋だよね。」

「どうしてっスか?」

「吸収力が高いのは、相手のいい所を認めて学ぼうとする素直な気持ちがあるからだと思うな。もちろん、何度も練習しないと身に付かないと思うし…やっぱりすごい!」

私は惚れ惚れしながら、つい熱弁してしまった。

ふと黄瀬くんを見ると、あの綺麗な顔を真っ赤にしていた。

「ありがとうっス、名前っち。褒められるってやっぱ嬉しいっスわ!」

見たことない、キラキラした彼の笑顔に心が弾む。

「男女で日本一になれたらいいな!」

「…なりたいじゃなくて、なるんスよ!…一緒に。」

もうすぐIH予選が始まる。

まだ女バスはIH全国出場の経験がない。

全国への切符を掴めたら、また何か変わるかもしれない。
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