第28章 文化祭②/黄瀬*氷室*赤司
名前は同じ2年のマネージャーだ。
まだゆっくり話したことはないが、てきぱきと仕事をこなし、選手ともよくコミュニケーションをとる頑張り屋のマネージャーといった印象だった。
個性が強い部員が名前のことを信頼しているのは、彼女の努力と人間性の賜物だと思う。
アツシですら、彼女を愛称で呼んでいる。
「まず、氷室くんはそのままでいいよ!執事としてもう十分!」
「名前ちん、オレはー?」
「むっくんは私と一緒に調理と宣伝をお願いするね。」
確かに、アツシは接客より容姿とお菓子好きを活かした担当が向いている。
「俺らはどうしたらいいアルか?」
「福井先輩と劉くんも接客担当でお願いします。ただ言葉遣いだけ、ちょっと練習しましょう。」
「ワシも練習せんといかんわい。」
キャプテンが鼻息を荒くして意気込んだ。
「あ、キャプテンは戦力にならないので調理担当でお願いします。」
「なぜじゃぁぁぁ!執事は女子にモテるんじゃないんかい!?」
「あー!もう黙れよ!ヒゲアゴリラ!」
キャプテンの嘆きに対して、福井先輩が一喝した。
彼女の目利きは確かなようだ。