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【ヘタリア】周波数0325【APH】

第41章 暗鬼による確信による、


どうして?

『君を信じたのは間違いだった!』

……どうして?

私、みんなの力になりたくて、ここに来たんだよ。

21時のアナウンスが耳の奥で聞こえた気がした。

菊も、どうして?

撃たれてもいい。

あの微笑は、そう言っていた。

そんなことを言わせてしまったのは、私――?





張り詰めた空気から解放されたことで、緊張の糸が切れたのか。

バケツをひっくり返したように涙と感情が溢れてくる。

無性に腹立たしくて、悔しくて、情けなくて。

『ニュースナインです』

2回目に聞いたアナウンスが、また耳の奥で不愉快に響く。

誰かが誰かを撃つような、誰かが誰かに撃たれることを厭わないような。

そんな景色を見に来たんじゃない。

”私の世界“、いや、“私”の時間がおかしくなっている――

そんな疑いを、恐怖を、それでも顧みずトリップしてきたのは。

皆の力になりたかったからだ。

なのに、

『君を信じたのは間違いだ』

なんて、冗談みたいな言葉を向けられている?

そう考えて、わかりきった答えが出た。

――言わなかったからか。私が。

唇の端が自嘲を形作る。

言わないと決めたのは私だ。

向けられた銃口が意味するところは、単に、“アルフレッドと信頼関係が築けていなかった”、それだけなんじゃ?

微かに笑いながら涙をぼろぼろこぼす私を異様と思ったのか、アルはかぶりをふって、「俺、は……」と呻く。

アーサーか誰かが、なにかを言ったような気がした。

けれど、冷たく沸騰する感情で、耳が膜で覆われたように聴覚が鈍い。

誰がなにを言っているのか、よく、わからな――



「やっぱり、君だったんだね」
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