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【ヘタリア】周波数0325【APH】

第39章 錯綜と進む針と







◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆

rrrrr rrrrrrrrr……

「ん……」

右の耳元で、なにかがけたたましく鳴り響いている。

聞き慣れたそれに、アルフレッドはほとんど体にしみついた習性で手を伸ばした。

「……hello」

「あぁ! やっと出てくれましたか! ご自宅にもつながらないしもう人を向かわせようかと」

電話の相手は、上司の一人だった。

ゆっくりと体を起こして、自分が研究所の一室にある、執務室の机につっぷしていたことに気づく。

窓の外では鳥たちがさえずっていた。

太陽が新鮮な光を振りまき、朝であることをアルフレッドにこれでもかと見せつける。

あくびと、電話を持ってない方の手で伸びをしながら、自分がここで一夜を明かしたことを理解した。

「あー……ごめん、なんかそのまま寝ちゃったみたいだ」

「全く、お体に障りますよ!」

「ごめんごめん。それでどうかしたの?」

「はい、そちらにカークランド様がいらっしゃるようなのですが、お通ししてもよろしいですか?」

「アーサーが? いいけど」

承諾の返事のあと、通話がきれた。

ぼんやりと耳から電話を離し、受話器に戻す。

まだはっきりしない頭だが、夢の光景は明瞭に覚えていた。

夢であることが不思議なくらい、鮮明に記憶されていた。

あれは本当に――

「入るぞ!」
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