第1章 社長令嬢
しばらくすると、
扉がノックされるので開けると
そこにいたのは財前社長と水瀬さん。
「話が長引いてしまって…
遅くなってすまない
環奈さん、引き受けてくれんかな
私の娘役、いや娘を」
「環奈さまにとって
不自由のない暮らしを
提供させていただくために
学校の手続きなどもさせていただきました。
また、桐嶋家には融資をだしました」
「それって養子ってことですか?」
ショックではない、
もともと私は…
ヒツヨウノナイムスメなんだから。
私がいなくなって景斗さんに
お金が入るならそれはそれでよい
「なんで私が桐嶋家の人だって
わかったんですか?」
「あなたのことなんて
簡単にわかりますよ
あと愛娘なんですから雪人で結構です」
「そうなんだ、ゆ、雪人…」
「はい」
財前社長が険しい顔で喋りだした
「環奈さんは養子という形に
なってしまったが娘として
財前財閥が身を預かった。
あと、お願いしたいことがある
高校を卒業するまでに結婚相手を
決めてくれんか??
すでにこちらで候補を絞ってある」
「結婚…」
全然まだ先の話しで想像がつかない…
「無理なお願いだとわかってるが…」
「わかりました、いいですよ」
ここで踏み出せば必ず知らない世界に
いけるだろうと思ったからである