第1章 社長令嬢
社長は私の方に向きながら
「実は公にしてなかったんだが
子供がいてね…愛娘の環奈に
財産をあげたいと思っている」
男の人は驚きを隠せないようだ。
「ちっ…」
社長がにこっとするから
つられて私もしてしまった
黒崎専務は惜しそうに舌打ちをして
どこかにいってしまった
でも財産相続で私が関わるなんて
すごい話…本当に夢みたい
まぁ、嘘だからこんな気楽に
いられるけど…
「嫌な予感的中ですね
環奈さま、
明日にはあなたは全国民に
顔を知られることになるでしょう
事情は後ほど話しますので
今は財前さまの愛娘として
上品に振る舞ってくださいね」
と水瀬さんがひそひそと言った
そうだ、ちゃんと振る舞わないと、
変に思われちゃう…
「は、はい」
その後私はパーティが終わるまで
ニコニコとあいさつをし回った