第1章 突然な出会い
部長の言葉に否定はできなくて、曖昧に笑ってみせる。
中学の時はそうでもなかったけど、高校生になると周囲に彼氏彼女が増えていた。
何かっていうと恋バナも聞くし、私も全く興味がないわけではない。
でもなんていうか…
初恋のまだの私にはどれもこれもピンとこないんだよね。
友達に相談されても、まるでドラマとか小説の世界の話みたいだなって思っちゃうし。
は好きな人いないの?どんなタイプが好き?って聞かれても全然知らないし。
「そういう部長こそ、どうなんですか?前に、憧れに人がいるって言ってましたよね」
「私はいいの。だってとっくに卒業しちゃってるもん。海斗先輩って言って、私が一年生のときに
軽音部の部長だったんだよね」
二年前ってことはーーーー
部長の言葉にドクンと鼓動が跳ねる。