第3章 日常
GW明けの教室は、プールのあとみたいな気だるい空気で、満ちていた。
どんよりとした気分とは裏腹に、窓の外は今日も五月晴れだ。
(ほんとくじ運ない…)
高2になって初めての席替えは、高橋陸の隣という最悪の結果だ。
唯一にして最大の救いは前の席が千佳だってことだ。
「…千佳、今日って部活に顔出せそう?」
5限が終わり、私はそっと千佳の肩を叩いた。
「ごめん、ちょっと厳しいかも。球技大会の準備がねー…」
「謝ることないよ!もう来月だもんね。あっ、何か手伝えることあったら言って?」
「ってば〜!ホント、なんていい子なの…っ」