第1章 突然な出会い
今でこそ高橋陸は王子なんて呼ばれてるけど、入学当時はこいぬって感じだった。
背も私と変わらないくらいだったのに、GWを過ぎた頃から、本人いわく
「ようやく成長期がはじまった感じ?」らしい。
そうして迎えた文化祭のライブで、女子たちの間にファンクラブが誕生した。
同時に、高橋陸が…その…何かっていうと私を構うようになったのだった。
(あの時も、ステージ上の高橋陸と目があったかも?なんて思ったんだよね)
実際のところはわからないけど、その後夜祭で本人から声をかけられた。
地味な私になんで学園の王子様が?
不思議に思いながらも、二人で話しがしたいという彼に私はうなずいてしまった。
彼が歌った『あなたの涙』に感動したばかりだったから。
今にして思えば、これがすべての始まりだと。