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【進撃の巨人】Happy Birthday【生誕祭】

第1章 Happy Birthday Dear Levi




リヴァイは静かにソファーから立ち上がると、エルヴィンに歩み寄る。
そして手元に置いてある書類を掴んだ。

それは、死亡した兵士のリスト。

「・・・生前にそいつがどんなに立派だろうが、大志を抱いていようが、死んだら何も残らねぇ」

ポツリと言い放つリヴァイに、エルヴィンは微笑んだ。

「どんなにその人物が誰かから愛されていても、か」

黒い髪が縦に揺れる。

「・・・ああ」


死んだら何も残らない・・・

だから団長は、自分が殺した命だと、自らに責任を負わせる。

兵士長は、自分が守れなかった命だと、自らに罪を着せる。


「・・・これ、もらっていくぞ」

リヴァイは壁外調査から帰還すると、必ずエルヴィンから戦死者のリストを貰っていた。
それをどうするのかは団長も知らない。

「別に構わないが・・・」

エルヴィンは、書類を几帳面に折りたたんで懐にしまうリヴァイを困ったように見つめる。

「そんなのでいいのか?」

「あ?」

「お前への贈り物だ」

「オイ、気色悪ぃ言い方するな」

心底嫌そうに表情を歪める兵士長に、エルヴィンは声をあげて笑った。


「そういう言い方はないだろう。だって今日はお前の・・・」


その先に何を言おうとしたのか分かったのだろう。
最後まで聞かず、スタスタと部屋から出て行ってしまう。

そんなリヴァイの背中を見て、エルヴィンは“やれやれ”と肩をすくめた。

「おめでとう、ぐらい言わせろよ。相変わらずだな」

そして、死亡通知書をしたためるため、再び机に向き直した。










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