第1章 赤い月…
ベッドに咲希をそっと降ろす
首に回っている手を
そっと離そうとすると
うっすらと咲希の目が開いて
またギュッと首に回してくる
急にされた勢いで咲希に
覆い被さる形になった
藤「……っ!!
咲希ちゃん…どした?」
目の前にあった咲希の顔から
少し距離をとって優しく声かける
咲「行かないで…
どこにも行かないで…」
お酒のせいで紅くなった頬に
潤った瞳で見つめてくる
藤「…大丈夫だよ。
ここにいるよ?ね?」
頭を優しく撫で
咲希の方を向く形で
寝っ転がると背中に手を回し
胸元に顔を埋めてくる
咲「太ちゃん…」
藤「ん?」
咲「…ギュッてして?」