第1章 赤い月…
一瞬ビックリしたが
頭を撫でていた手をやめ
両手で優しく抱き締める
するとさらにギュッと
くっついてくる咲希
咲希の心臓の音が伝わる
藤「大丈夫?」
咲「…太ちゃん…チューして?」
藤「…え?」
咲「チューしてほしい…
とびっきり甘いの…」
藤「…いや、それは…」
咲「チューだけでいいから…
後々、迷惑かけたりしないから…
今だけ私が誰かに必用と
されてるって思えたらいいの…」
藤「…咲希ちゃん…」
咲「…だ…めかな…」
そこまで言うと顔をあげる咲希
潤んだ瞳に自然になる上目使い
咲希の瞳をジッと見つめる