第2章 かうんと・つー
クリスマスイブの更に前日。本日は12月23日なり。
明日、明後日とそれぞれ恋人やら家族やらとよろしくする予定のある者たちも、今日のこの日は気の置けない仲である友人たちとおもしろおかしく過ごしてやろうと集まったわけである。
友人宅、友人部屋にて。目の前には持ち寄ったお菓子やジュースがテーブルの上にところ狭しと用意されている。
今か今かと待ちわびるようなわくわくとした空気が流れるなか、「それでは」と友人のうちの一人が恭しい面持ちでこほんと息をつき音頭をとった。
「今日は目一杯楽しもうー!メリークリスマスイブイブ!」
「メリークリスマスイブイブー!」
そんなみんなのかけ声とともにパンっと軽快に弾けるクラッカーの音。
部屋中に満ちた楽しくて仕方ないと言わんばかりの明るい声と雰囲気に飲まれるようにして笑顔になった私も、一拍遅れてクラッカーに手をかけた。
手早く用済みになったクラッカーを片付けた後は、ジュースを飲んだりお菓子に手を伸ばしたりお喋りしたりそのどれもをこなしたり、といった具合に早々に愉快な混沌へと足を踏み入れて始まったイブイブパーティー。
日々のくだらないこと、勉強のこと、昨日やっていたドラマの話に芸能人の話、雑誌に漫画にそれからアニメ。
お菓子やジュースをどんどん空にしていきながらころころと移り変わる話題に花を咲かせ、それ以上の大輪の笑顔を咲かせて。楽しい時間も過ぎていく。
そしてテンション高めの和気あいあいとした雰囲気も幾分落ち着いて穏やかな空気が流れだした頃だった。
誰ともなく「イブやクリスマスは何をするのか」を話始めたのがきっかけだったか。
私も私もと次々と続く声に緩やかになりつつあったテンションも再び火をつけたようにぼっと盛り上がった。愉快なカオス再びである。
親戚一同で集まってわちゃわちゃ騒ぐとニッと笑顔を作る子や、盛大にイルミネーションされたツリーを彼氏と見に行くのだとはにかむ子。
彼氏の家で二人きりだと照れ笑いする子に、彼氏と一緒に某有名なテーマパークで遊ぶのだと目を輝かせる子。
その他色々、それはもう見事なまでに彼女たちの予定は埋まっているようだった。
まあ、だからこそこのイブイブの日にパーティーをやっているんだけども。