第4章 かうんと・ぜろ
ふっ、と意識が浮上した。
瞼を持ち上げ、ぼんやりした頭で認識するのは真っ暗な世界。
なにも見えない、黒の中。
そのままずっと黒一色を眺めているうちに目が慣れてきたのかうっすら自室の輪郭が浮かび上がった。
徐に起き上がる。その拍子にずるりと掛け布団がずれ落ちてしまい、ぬくぬくに暖まっていた上半身が冬の冷気へ一気に晒された。
反射的に震える身体。染み入るような空気の冷たさに眠気も何処かへ飛んでいった。
そして。
「……なんつー夢みてんの、私」
今しがた浸っていた世界に思わず頭をかかえる。
はぁ、と白く吐き出した息は唸るような声とともにすぐに霧散していった。