第2章 捜査官として
ラボについて、フォックスを地行博士たちに
任せた。
クインケの形が書かれた紙を何枚かもらってたけど、
私は鈴屋先輩のようなクインケに憧れていたから
鎌のようなデザインにしてもらうことにした。
「このかのクインケ楽しみです」
「ですねっ!1週間でできるなんて早いなあ~」
それから私達は篠原さんの病室に寄ったあと、
何故か鈴屋先輩の付き添いでCCGの屋上に座っている。
「夜は気持ちいいです~」
こんなに高いところにいるのに、怖がる素振りも見せないで
手すりに座って脚をブラブラさせてる鈴屋先輩。
「おっ、落ちますよ!」
「大丈夫です」
よくここに来てますから
なんて言ってるけど、それを見る人の身にもなってください!
「このか~。捜査官のお仕事楽しいですか?」
「楽しいというか…、やりがいはあります!」
鈴屋先輩は少しこっちを見て
「このからしいです」
ニコニコしてる鈴屋先輩見てると
ドキドキしてしまう…
手すりから降りた鈴屋先輩は私がしゃがんでいる横に座って、
何か言いたそうにしている
「…?」
私はただ首を傾げる事しかできない。
「このかには家族いますか?」
「あ、えっと…今はいません」
私の両親は両方とも喰種に食べられている。
あの頃はたくさん泣いたなあ…
「…そうですか」
「あの、鈴屋先輩もご両親を…?」
鈴屋先輩は少しにこっとして見せたけど
どこか寂しそうで。
「僕の本当の親はわかりません。
小さい頃の僕には、ママしかいなかった」
「ママ…?」
ママって誰だろう。
「ママは喰種ですよ~」
「えっ!?」
当たり前のように言う鈴屋先輩に少しびっくりした。
でもそのママが、鈴屋先輩にとっての大切な人だったっていう事はハッキリと分かる
「ママの事を詳しく話したらきっとこのかが傷つくから
詳しくは話しませんけど…」
僕はママの事大好きだから気にしないでください
と言っている鈴屋先輩は心からの笑顔だった。
「喰種に育てられた僕は普通の愛し方を知りません
だからこのかへの扱いも雑になるかもです」
「えっ、えっと?」
馬鹿な私は先輩の伝えたいことが分からない
「つまりですね…」