第3章 すこしちがう。
「それで、どうしたの?」
「今から家に行っていいです?」
えっ!?
今から!?
「えっ?ちょっ……」
「はいっ!ぴんぽんです」
まさか…
ぴんぽーーん
「来ましたよ~」
「鈴屋くん…こんばんは…」
玄関の扉を開けると
いつもの着崩した姿の鈴屋くんが。
手に持っているのは…!!
ドーナッツマイスターの箱!?
いやいや
そうでなくてっ!
「どうしたの?」
「特に用事なんてないです。
会いたいから会いに来たんです」
ドーナツを食べながら要件を聞く。
うん、デブまっしぐらだ
「会いたいから…?」
「そうですよ。
ゆりこってば仕事仕事って…」
ブツブツ言ってる鈴屋くん。
可愛いな…、うん。
「そ、こ、で!
明日僕とゆりこはお休みをもらいました~」
「へっ!?」
ピースサインを両手でしてるけど…
どうやってお休みをもらったの?
なんて聞かないでおこう…。
「明日は僕と水族館行くですよ」
「水族館っ!?」
最近行ってなかったな
水族館。
「そっか。
ありがとう!たまにはいいよね」
「です」
それに鈴屋くんと一緒にいれるし。
なんだか明日が楽しみだよ
「じゃ、僕は帰ります
ゆりこの可愛い部屋着も見れたことだし…」
「んなっ!!!」
真っ赤になる私を無視して、
私のおでこにキスをしてから
鈴屋くんは帰っていった
「…ズルいな、もう…」