第6章 Happy Birthday to me...【ラフ甘男子】
「それはそうと、最近の宅配ピザは美味しいですよね」
「そう?」
確か、ケーキを食べるはずなのに目の前のローテーブルにはピザ。
ワインを開けるか開けないかの話をした時に彼は晩御飯代を出すから開けてください、そう言ったのだ。
私は遠慮することなくいつもより高いピザを少し多めに注文してやった。
彼は小柄なのによく食べていた。体力勝負の仕事をしているからすぐお腹がすくんだとか。
こんな華奢な体つきなのに意外だった。
「ね、飲まないんですか?」
「まあ、少しは飲む」
一口だけ。渋くて苦い味が口の中に広がった。やっぱりワインは好きじゃない。
私はそれを誤魔化すために目の前にあったピザを口に運ぶ。
「意外。本当に苦手なんですね」
「他は大丈夫なんだけどね。日本酒とか焼酎とか」
「おじさんみたい」
「思っても言っちゃ駄目でしょ。買い置きもあるけど、飲んでいい?」
「貴女の家なんだから、お好きにどうぞ」
私はグラスいっぱいに氷を入れて焼酎を並々と注ぐ。
あまりお腹はすいていなかったので酔いがまわるのはあっという間だった。