第2章 the second verse +
布団の上で寝っ転がってスマホを見てたら、ひかりがやって来た。
どうすんのかなーと思って見てたら。
布団の脇で一瞬立ち止まって考えて、それから布団の上に載って。
正座した(爆)
翔 「ふははははっ!(笑)」
ひかり 「・・・・・・何。」
翔 「正座って!初夜?!(笑)」
ひかり 「もー、うるさいなー!だって・・・、」
翔 「だって?(笑)」
ひかり 「こんなシチュ、想定外だし!」
ふてくされて、うつ伏せに倒れ込んだ。
その横に寝てみる。
ひかり 「・・・・明日って、何時に帰る?」
うつ伏せのままだから、声がくぐもって聴こえる。
翔 「んー、一応料金払ってチェックアウトの時間ズラしてもらうんだけど・・・・11時くらい?」
ひかり 「ん。分かった。」
翔 「せっかくこんなとこ来てんのに、他にどこも回れなくてゴメンな。」
ひかり 「平気。前にも来たことあるから。」
そう言ってから、「あ。」って顔を一瞬だけ、お互いした。
(誰と?)
それは確実に俺じゃない。
多分、俺が今想像してる人なんだろう。
当然で、且つ仕方ないことなんだけど、ムカつくなー。
腰に手を回して引き寄せる。
すっぽりと腕の中に閉じ込めてしまえ。
付き合ってる相手に他の誰かがいて、そのことに嫉妬する。
そんな状況、今までなかったし。
常の恋愛の時にいつも考える未来は、今回は想像しても無駄で。
それでもって、今まで考えたことないことに悩まされるって。
狂おしいほど誰かの存在を求めるとか、ホント、考えたこともなかった。
今までも、いつだって付き合ってる相手は大事で、守りたい存在ではあったけど。
どこにも行かせたくない。
誰にも触れさせたくない。
そんな感情が自分の中に起こるとか、有り得ないと思ってた。
手に入らないと思うと、人間って逆にどうしても手に入れたくなるものなのかなぁ。
この腕の中に居るその人は、そういう感情を湧き立たせる。
しかも性質(タチ)の悪いことに、本人は全くそのことに気付いてない。
やっぱりムカつくなー(苦笑)